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江戸川区水害・浸水リスクについて

ここ数年、台風やゲリラ豪雨、線状降水帯の発生によって水害や浸水被害に見舞われるというケースが毎年のように発生しています。我らが江戸川にとっても、決して他人事ではありません。まずは江戸川区の公式ハザードマップを確認し、お住まいのエリアにどのようなリスクがあるのかを、しっかり把握しておくことが大切です。

参照:「江戸川区水害ハザードマップ│江戸川区」

江戸川区の水害はなぜ起こる?河川と土地の特徴

引用元:江戸川区水害ハザードマップ│江戸川区

河川と東京湾に囲まれている江戸川区

上記の写真でも一目瞭然ですが、江戸川区というエリアは東西に大型河川が流れ、南側には東京湾が広がっているという土地柄になります。西側には荒川と中川が並行して流れており、北東部には利根川から分岐した江戸川。南東部には江戸川のかつての本流であった旧江戸川。さらには区の北部の中央部分には新中川が北から南へと流れ、瑞穂大橋付近で旧江戸川に合流しています。つまり江戸川区は、普段から水に囲まれているエリアということになるのです。

関東地方に降った雨が、集中的に集まる場所

川は、上流付近で降った雨が集まり、下流へと流れていく仕組みとなっています。それゆえ、埼玉エリアで降った雨は荒川や中川水系を経由して、また、群馬や栃木エリアで降った雨は利根川・江戸川水系を経由して集まってくる場所が江戸川区なのです。実際江戸川区は地形分類上、東京低地に属していり、利根川や江戸川、荒川の氾濫想定区域の最下流部に位置しています。

区内の約7割がゼロメートル地帯

上記のような土地柄であるのに加え、江戸川区はかつて地盤沈下も進行したため、区内の約7割がゼロメートル地帯―満潮時の水面よりも低い土地となっています。それゆえ、大雨による河川の氾濫はもとより、東京湾の高潮の影響による水害リスクも大きいという側面もあるのです。そうした事実をしっかり踏まえ、普段から防災意識を高く持つことが重要になります。

江戸川区のこれまでの水害

以下の表は、過去に江戸川区で発生した水害をまとめたものです。

年月 風水害名 浸水原因 浸水戸数 被災者数
明治43年8月 長雨 利根川・荒川決壊 3,654戸 13,500人
大正6年10月 台風 高潮 流出破損3,425棟 死者240人
昭和13年9月 台風 高潮 23,000戸 1,000人以上
昭和22年9月 カスリーン台風 利根川決壊 30,506戸 132,991人
昭和24年8月 キティ台風 高潮 12,545戸 62,324人
昭和33年7月 台風第11号 内水氾濫 6,599戸 28,312人
昭和33年9月 狩野川台風 内水氾濫 41,683世帯 185,046人
昭和36年10月 台風第24号 内水氾濫 23,844世帯 94,496人
昭和41年6月 台風第4号 内水氾濫 4,064世帯 10,200人
昭和46年8月~9月 台風第23-25号 内水氾濫 1,973世帯 約8,000人
昭和56年10月 台風第24号 内水氾濫 10,289世帯 31,383人

この表を見ても分かるように、江戸川区は長きにわたって水害に遭ってきました。

そのなかでも甚大な被害をもたらしたのは、昭和22年9月のカスリーン台風がきっかけとなって起こった大洪水です。

利根川が氾濫したことで広範囲にわたる流水エリアが浸水被害を受け、10万人以上の人が亡くなったとされています。無事に生き残った人々も家族や財産を失うなど、この大洪水は江戸川区に大きな傷跡を残しました。

さらに11年後の昭和33年9月、住民たちに再び天災が降りかかります。狩野川台風が到来し、豪雨によって大規模な内水氾濫が起きたのです。区内に住む41,683世帯が被害を受け、185,046人が命を落としました。

建設技術の進歩もあり、近年は河川の氾濫・堤防の決壊による大規模な洪水被害は起きていません。しかし頻繁に発生する異常気象や大地震など、また新たな危険が迫ってきています。

豪雨による内水氾濫、大地震が引き起こす津波災害……江戸川区は現在でも、多くの水害リスクと隣り合わせなのです。

参考元:江戸川区役所hhttps://www.city.edogawa.tokyo.jp/e062/toshikeikaku/saigainitsuyoi/anshinmachidukuri/suigai.html

まず、実際に水害が起こった場合について解説します。

仮に大洪水が起きて江戸川の堤防が決壊した場合は、江戸川区だけでなく、首都圏全体が被害を受けることが予測されます。

被害範囲は約530平方km、世帯数は約80万世帯、人口約232万人と想定されています。そのダメージは計りしれず、人口・資産・情報・交通機能が集積した首都圏に大きな被害が及んだ場合、機能不全に陥る可能性も考えられます。

他県で発生した最近の水害も見てみましょう。平成25年8月に発生した、秋田県・岩手県を中心とした記録的な豪雨は、川の増水や土砂災害を引き起こしました。数名の死者や行方不明者も出ています。

2年後の平成27年9月には、関東・東北で記録的な大雨が降り注ぎ鬼怒川が決壊。関東各地に甚大な被害をもたらしました。

さらに平成29年6月、西日本を中心に九州北部豪雨が発生。前年には地震被害にも遭っていた熊本県は、この豪雨でさらにダメージを受けました。

このように、近年では連続的に記録的な豪雨が続いており、各地に甚大な被害をもたらしています。他県の被害とはいえ、川や湾に囲まれる江戸川区も、他人事ではありません。

参考元:江戸川区役所https://www.city.edogawa.tokyo.jp/e062/toshikeikaku/saigainitsuyoi/machidukurijoho/anshinmachidukuri/suigai.html

まず財産を守るためにするべきことは、水害(水災)補償への加入です。火災保険と一口に言っても、会社や商品によっては水害補償に対応していないこともあります。

大洪水により財産を失ってしまった時、水害補償が無く大きな損失を被ってしまった……という事例はめずらしくありません。

日常でも、水害被害を最小限におさえられるように備えておくとベストです。いつ水害が発生してもすぐに逃げられるよう、非常食・飲料水・懐中電灯などを詰めた非常時リュックを用意してください。

避難場所や避難経路は常に頭の中に入れておき、いざ災害が起こった際は迅速に安全圏へ逃げられるようにしましょう。

江戸川区の水害対策

上記の通り、江戸川区は水害のリスクが高いエリアです。は平成27年9月の鬼怒川決壊や平成29年6月熊本県の豪雨被害などの記憶も新しいところです。こうした水害が、江戸川区でいつ起こってもおかしくはありません。それゆえ、行政でも、以下のような水害対策に取り組んできています。

高潮対策事業(旧葛西海岸堤防)

昭和24年のキティ台風の教訓を受け、昭和24年から昭和32年にかけて実施されたのが第一次高潮対策事業でした。現在の首都高速湾岸線や葛西臨海公園にあたるエリアを広域にわたって埋め立てるという大事業でした。その上で、現在の葛西臨海公園には、公園のほぼ全域に防潮堤を設置し、高潮による水害を食い止めるという対策がなされています。

参照元:江戸川区の大規模水害対策への取り組み│江戸川区


スーパー堤防事業

大河川の氾濫による大規模浸水被害を軽減するため、国土交通省や関係機関との連携によって、平成18年より始まった堤防の大規模修繕事業になります。 スーパー堤防とは一般の堤防の高さの約 30 倍の幅、または約 50mの幅を持たせたものです。一般的な壁状の堤防のような決壊リスクを大きく軽減し、また越水した際の被害も軽減できるというメリットがあります。

目標としては、中川、新中川、江戸川、旧江戸川の、全沿川の整備を目指しているとのこと。地盤が軟弱で低地などの水害の危険性が高いところや木造密集市街地などで災害危険度の高いところなどを優先的に工事を進めています。

参照元:江戸川区スーパー堤防整備方針(概要)│江戸川区

自分でできる水害対策!

江戸川区の水害時の避難場所を把握

もしも水害が起こった場合に、住居のある場所からどこに避難すればよいかというのを把握しておきましょう。江戸川区の公式ホームページでは、お住まいの住所あるいは地図上から避難所を探す機能が備わっています。ぜひ、有効に活用してください。

参照元:避難所・避難場所の検索│江戸川区

水害に強い家を作る

これから江戸川区内で新築住宅を建てるという場合には、地震や火事に対する強さに加え、水害への強さという点もぜひ考慮してください。例えば鉄骨造や鉄筋コンクリート造は、木造に比べ建物がより強固というメリットがあります。

また、木造でも耐水害性能を向上させた家を手掛けているハウスメーカもあります。さらには近年ニュースでもよく耳にする「垂直避難」を見据えて、3階建てとしたりルールバルコニーを設けるといったことも検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

江戸川区では今でこそ目立つ被害はないものの、水害に見舞われるリスクは常にあります。水害への備えは念入りにしておきましょう。