不動産物件を探している際に、中古物件で「リフォーム済」や「リノベーション物件」といった表記を見かけることがあります。どちらも中古物件に改修を施し、物件の魅力を高めたものになりますが、リフォームとリノベーションには大きな違いがあります。
リフォームは、住宅の老朽化や損傷を修繕し、元の状態に戻すことを主な目的とした工事です。壁紙や床材の張替え、設備の交換など、部分的な改善が中心となります。性能面では断熱材の補充や配管の修理といった最低限の機能回復が多く、コストを抑えつつ現状を維持・回復したい場合に適しています。
リノベーションは、住宅を大幅に改修し、現代のライフスタイルに合わせた新たな価値を付加する工事です。間取り変更や設備の最新化、高性能な断熱材や耐震補強などを行います。快適性や省エネ性能を向上させ、住まいの長期的な価値向上を目指す点が特徴です。
リフォームは、工事の規模は小さく、短期間で完了するケースが多いです。一方、リノベーションは、リフォームよりも工事の規模が大きくなるため、施工費用が高額になり、工事期間も長くなるのが一般的です。
リフォームは、住宅の老朽化や劣化部分を修繕し、現状を回復することを目的としています。キッチンや浴室などの設備交換や、壁紙や床材の張り替えが中心で、断熱材の補充や窓の交換による断熱性向上など、部分的な性能改善が一般的です。大規模な変更は行わず、現状維持を重視します。
一方、リノベーションは、住宅に新たな価値や性能を付加することを目的としています。最新の住宅設備の導入や断熱・耐震性能の向上、省エネ設備の追加など、住まい全体の快適性と機能性を高めることが特徴です。現代のライフスタイルに合わせた性能向上を目指します。
リフォームのメリットとして挙げられるのが、コストの手軽さです。必要最低限の改修を行うため、予算内で工事を進めやすく、特定の箇所だけを改善することも可能です。
例えば、キッチンや浴室など特定の場所をピンポイントで修理したい場合には、リフォームが適しています。また、工事期間が比較的短いため、日常生活への影響が少なく、スムーズに生活を再開できるのも魅力です。
さらに、建物の価値を維持するという点でも有効であり、老朽化を防ぐことで資産価値を保つことができます。
リノベーションのメリットは、住空間を自由にデザインできる点です。 間取りを大きく変更したり、最新設備を導入したりと、暮らしのスタイルや家族構成に合わせて空間をカスタマイズすることが可能です。
例えば、古い間取りの家を広々としたオープンキッチン付きのリビングに改修することで、現代的で快適な住まいを実現できます。また、断熱材の追加や耐震補強といった機能面の改善を行うことで、家全体の快適性や安全性の向上、長期的には光熱費の節約や耐久性の向上といった効果も期待できます。
リノベーションは「自分だけの特別な空間」を作り上げることができ、建物の資産価値を高めることにもつながります。
リフォームは「修繕」を目的とし、費用や時間を抑えて部分的に改善したい場合に適しています。一方で、リノベーションは「新たな価値を付加すること」を目的とし、住空間全体を根本から変えたい場合におすすめです。
それぞれのメリットを踏まえ、住まいの現状や予算、理想の暮らしに合わせて選択しましょう。
なお下記ページでは、リノベーション物件について詳しく解説していますので、併せてご覧になってみてください。